クール王子ととろける溺甘♡同居
「すごい困った顔してる」
「だって……」
そう口走るけど、思うように言葉が出てこない。
二見くんが勘違いするような行動を少なからず私はとっているから。
早く、それを訂正しなくては。
「わかってるよ。小山が今から真逆の話を俺にしようとしてること。ちゃんと蹴りつけなきゃって思ったんでしょ?でもごめん。俺、小山の困った顔も結構好きだったから。──────今も。割と本気だよ」
「……っ、」
何を言ってるんだ。この人は。
たしかに私は、二見くんを呼び出してふたりで会うって言うリスクのあることをしたけれど、私がちゃんと気持ちを訂正しようとする前に、そんなことを言うなんて。
「今なら、もっとうまくやれると思う」
「……っ、」
ダメ。
やめて。
お願い。
「小山、」
そんな風に優しく呼ばないで。
もう二度と、関わることなんてないと思ったのに。
チラッと目の前の彼を見れば、眉毛を下げて少し悲しそうな顔をしていて。
傷つけられたのは私の方なのに、なんで、二見くんが、そんな顔で私のことを見るんだ。