クール王子ととろける溺甘♡同居

「今更何言ってんだって感じだけどさ、小山があいつといるところ見て、なんかすげー嫌だった。後悔しかねぇーんだよ。本当に悪いことしたと思ってる。小山のその傷は、俺が作った傷だから。だから……」

「……違うっ、」

絞り出してやっと出たかのような声で、続ける。

「私の傷は、もうとっくに、別の人のおかげでちゃんと癒えてるの」

「……須永か」

コクンと頷く。

二見くんとの再会は、心が掻き乱れて、やっと忘れられていた傷口をふたたびえぐられたみたいな感覚でとても苦しかった。

だけど、それよりも、希夜くんの、クスッと笑った顔や、私を優しく撫でる手のひら、大きな背中、それを思い出すだけで、幸せな気持ちになれる自分がいて。

傷よりも、希夜くんの温もりの方がうんと大きくて、それを忘れるほどで。

二見くんと会って、あの時好きだった気持ちはちゃんと思い出すことはできたけど、今、ときめいたわけじゃない。
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