クール王子ととろける溺甘♡同居
ここから声かけたら気付くかな?
偶然、放課後の帰り道にこんな風に会えるなんて。
正直、お家には恵美さんたちもいるからなんとなく気を使ってしまうし、話すなら外にいる今。
まるで、絶好のチャンスだって言われてるみたいな──────。
「希─────っ、」
えっ?
あれって……。
ふと、希夜くんが顔を横に向けた。
その視線の先には──────。
希夜くんが誰かと歩いているなんてまったく思ってもみなかった。
サラサラのポニーテールを揺らしながら歩く、セーラー服姿の女の子。
確か、この近くの中学の制服だと思う。
どうして希夜くんが、女の子と歩いているんだろうか。
確か、彼女はいないと言っていた。
え、一体……誰?
まったく予想してなかった出来事に、思考停止寸前。
さっきまで、希夜くんとちゃんと仲直りして、勇気を出して一歩踏み出そうって思っていた。
でも、そんなもの、撤回だ。