クール王子ととろける溺甘♡同居
それならそうとすぐに言ってくれれば良かったのに。
どうしてわざわざはぐらかすような言い方をしたんだろう。
「ううん、信じるよ。けど……」
「けど?」
「……言って欲しかった。家庭教師始めたならそうだって」
隠し事はなし、なんて決まりがあるわけじゃないしそもそも希夜くんとはそんな決まりを結べるような関係じゃないことぐらいわかっている。
でも、なんでも話してくれた希夜くんが、突然私の知らないところで何かをしてるってことがすごく不安になってしまったんだ。
気まずいと感じていた時だったからなおさら。
「……ごめん。俺ばっかりヤキモチ妬いてるのが嫌で」
「えっ……」
目の前の希夜くんの顔が、赤い、気がした。
薄暗い部屋だからそんなことわかるわけないのに、空気が、温度が、変わったような。