クール王子ととろける溺甘♡同居
「嘘……」
「なに?」
ボソッと呟いた私に、少し身体を離して真正面になってから、希夜くんが訪ねる。
「あっ、いや、その、嘘みたい、と思って。その、希夜くんが、私のこと……あ、あの、好き、だって」
「こんなに言ってるのに、まだ信じてくれないの?」
「なんか、夢みてるみたいで」
さっきの今だもん。
そりゃあ夢見心地の気分だよ。
実際、希夜くんに触れられるといつもふわふわしてまるで夢を見てるみたいな感覚に襲われちゃうし。
「フッ、夢だったらどうするの?」
希夜くんは、私の髪の毛にそっと触れてそのまま耳たぶを撫でながらそう聞く。
「……覚めて欲しくない、です」
「いつからそんなに煽り上手になったの、小山さん。……なら、お望みどおり今日は朝まで俺でいっぱいになって」
そう言いながら私の右手に同じく右手を絡ませてきた希夜くんは、そのままギュッと握って。
「……キス、したい」
「……っ」
もう、心臓は爆発寸前で。
「聞いてる?小山さん」
「はいっ、えっと……」
変に敬語が入り混じって話し方を忘れるほど緊張して。
私は、返事の代わりにギュッと目を瞑る。