クール王子ととろける溺甘♡同居

「そんな可愛いことされたら、心臓持たないんだけど」

「……っ、」

希夜くんの声が再び耳元でしたと思った瞬間、唇に生暖かくて柔らかい感触が伝わって。

よく覚えている。

宿泊研修の夜のあの感触と同じ。

でも、あの時よりもずっと優しくて。

私が目をゆっくりと開けたと同時に希夜くんの唇が離れて、バチッと視線がぶつかる。

「……もっかい」

「へっ、ちょ……」

希夜くんは、いつもよりほんの少し低めに呟くと、再び、私の唇を奪った。

「……っ」

まって、聞いてないよ希夜くん。

少し顔を傾けて違う角度からもう一度重ねられる。

すぐに離れてくれたさっきのキスとは違って今度のキスは少し長くて、完全に息の仕方を見失って。

苦しいのに、やめないでほしいみたいな。

「……んっ」

薄暗い部屋。
ドアの向こうにある階段を降りたらすぐに、恵美さんたちが寝ている。

そんな中、希夜くんとこういうことをしているのはすごく、よろしくないと思うけれど。

わずかに唇が離れたかと思えば、再び違う角度から触れられて。
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