クール王子ととろける溺甘♡同居



「なんかいいことあった?」

「えっ、」

放課後の帰り道、希夜くんが私の顔を覗き込むようにして足を止めた。

「さっきからニヤニヤしてる」

「嘘っ」

「本当。花純、わかりやすいよ」

「うぅ……ごめんなさい」

「いや、いろんな花純見れるの楽しいからいいけど」

隣にいとしの希夜くんがいながら別のことを考えちゃうなんて。

古畑先輩たちにはあんな風に言われたのが嬉しくて、しょっちゅうその出来事を頭の中でリピートさせていた。

そういえば、私まだ、この帰り道を一緒に歩いてて希夜くんと話してない?!

最低じゃん……。

「実は今日ね、学園祭の準備中に先輩たちに呼び出されて……」

私は、ゆっくりと希夜くんに、古畑先輩たちの話しをした。

希夜くんはすぐに「その先輩って男?」って少し眉を潜めて聞いてきたけど、「女子だよ」っと言えば、ホッしたように私の話の続きに耳を傾けてくれた。
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