クール王子ととろける溺甘♡同居
*
「なんかいいことあった?」
「えっ、」
放課後の帰り道、希夜くんが私の顔を覗き込むようにして足を止めた。
「さっきからニヤニヤしてる」
「嘘っ」
「本当。花純、わかりやすいよ」
「うぅ……ごめんなさい」
「いや、いろんな花純見れるの楽しいからいいけど」
隣にいとしの希夜くんがいながら別のことを考えちゃうなんて。
古畑先輩たちにはあんな風に言われたのが嬉しくて、しょっちゅうその出来事を頭の中でリピートさせていた。
そういえば、私まだ、この帰り道を一緒に歩いてて希夜くんと話してない?!
最低じゃん……。
「実は今日ね、学園祭の準備中に先輩たちに呼び出されて……」
私は、ゆっくりと希夜くんに、古畑先輩たちの話しをした。
希夜くんはすぐに「その先輩って男?」って少し眉を潜めて聞いてきたけど、「女子だよ」っと言えば、ホッしたように私の話の続きに耳を傾けてくれた。