クール王子ととろける溺甘♡同居

いちいち、距離が近くなって困る。

「うまくいってるよ!順調すぎて怖いぐらい!」

「でも、その格好みたの、俺が先なんでしょ?」

「それは……」

「なんだかんだ、小山の最初っていつも俺じゃない?」

もう会うことはなあって思っていたのに。
まさかこんなところでまた会ってしまって、変なこと言われるなんて。

「……何が言いたいのよ」

「キスだって……」

っ?!

フッと、二見くんの声が耳元にグッと近付いて。

またやなことを言われる、なんて思った瞬間、

「ちょっ、」

二見くんが何者かに引っ張られた。

「えっ……」

目の前には、クマの着ぐるみをきた人。
頭までクマの被り物をしているから顔がわからないけれど……。

『2-1 メイド喫茶』
の看板を持っているのを見て、それが誰なのかすぐにわかってしまった。

「何」

着ぐるみの人に向かって明らかに不機嫌な声でそういう二見くん。

「……通行の妨げになるので、廊下真ん中での立ち話はご遠慮ください」

「あぁ」

声が着ぐるみ越しで曇っているせいで、二見くんにはバレていないみたい。
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