クール王子ととろける溺甘♡同居
「小山さん、お菓子何が好き?」
夕飯の材料をある程度カゴに入れ終えた希夜くんが、お菓子コーナーに着いてからそう聞いた。
別にわざわざ気を使って私に話しかけてくれなくてもいいのに、希夜くんはとことん話しかけてくる。
第一印象や学校での印象とはずいぶん違う。
「なんでも……好きです」
「せーので指さしてね」
「……え、ちょっ」
希夜くんのとっさの提案に戸惑いながらも「せーの」という彼の声に、条件反射のように手が動いて。
私の指は、わさび味のポテトチップスを指差していた。
「あっ……」
私の手のすぐ横に見える、大きな手が、私の指していたポテトチップスと同じものを指差している。
「え、嘘、小山さんもこれの気分?」
「……っ、え、あ、うん」
希夜くんと、同じお菓子を指差していた。
「俺もだ。一緒だね」
「……っ、」
彼の方へ視線を向けると、少し目を細めて嬉しそうに口角を上げていて。
不覚にも、ドキッとしてしまった。