クール王子ととろける溺甘♡同居
どうしよう……返事がない。
人の部屋を勝手に覗くのダメだってわかってるけど、緊急事態だ。一応、確認のため。
希夜くんを待ってちゃ、アイスが溶けてしまう。
恐る恐るドアに手をかけると、ガチャっとドアの開く音がした。
「あの、希夜く……」
わずかなドアの隙間から名前を呼んで部屋を見渡すと、勉強机に座っている彼の後ろ姿が見えた。
上半身が前の方へと倒れていて、背中が少し丸くなっている。きっと寝てるのかも。
これって……中に入って起こした方がいいの?
希夜くんだってお風呂入りたいだろうし、起こした方が、いいよね?
「失礼しまーす」
と小さく声をかけて、希夜くんの部屋へと足を踏み入れる。
絶対入るはずのない部屋だって思っていたのに。
ここにお世話になってまだ2日しか経ってないのに、もう入ることになるなんて。