クール王子ととろける溺甘♡同居
「……希」
勉強机まで向かって、控えめに彼の顔を覗き込みながら名前を呼びかけたけど、その寝顔を見て思わず声を抑えた。
うっわ……。
長い睫毛に、鼻筋の通った高い鼻。
起きてる時だけじゃなくて、寝てる時までうんと
綺麗だな。
なんだか、起こすのが申し訳ない。
それに……勉強机に並べられた希夜くんの腕の下にあるもの……。
教科書やノート。
その周りには電子辞書や蛍光ペン。
明らかに勉強途中に寝ちゃった感じだ。
勉強、するんだな。意外な一面。
いや、そりゃ特進クラスだし、勉強しなきゃ大変だろうけど。
でも、希夜くんの顔立ちと賢そうな雰囲気を見てると、まるで漫画の世界から飛び出してきた男の子ってイメージだったから。
勉強も『しなくてもできちゃう』タイプなんだろかって勝手にそんな風に思っていた。