クール王子ととろける溺甘♡同居
希夜くんの前髪がほんの少しまぶたに重なっていて。起きてる時と若干雰囲気が違う。
あまりの整い方に、見入ってしまう。
男の子は苦手だと思って、見ることもしなかったのに。
そんな気持ち以上に希夜くんの顔は不思議と人を惹きつける。
声……かけなきゃいけないのに。
「……ん」
あっ。
ど、ど、どうしよう!
突っ立って希夜くんの寝顔を見ていたら、彼の眉毛がわずかに動いて、声を出した。
お、起きちゃう!
これでここにいるのを見られたら間違いなくただの不法侵入で、人の寝顔を見てた変態になってしまう!
「……あれ、小山さんだ」
あわあわと焦ってる私をよそに、身体を机から離さないまま私を見つめる希夜くん。
「あっ、えっと、」
どうしよう……。
要件、早く言わなきゃ。
「希夜くん、お風……っ、」
お風呂だということを伝えようと思ったら、突然、希夜くんの腕がこちらへと伸びてきて。
アイスを持っていた私の左手首を掴むと、その手はそのまま希夜くんの口元に持っていかれる。