クール王子ととろける溺甘♡同居


「入っていい?」


「えっ、あ、うん」


彼の声にすぐに返事をすると、ガチャリとドアが開けられた。


黒のスウェットに着替えた希夜くんの髪は、お風呂上がりでまだ若干湿っていて。


いつもよりも数倍、色気を醸し出している。


「昨日の、小山さんに渡すの忘れてたから」


そう言って差し出されたのは、昨日の買い物で私が選んだ、わさび味のポテトチップス。


「えっ、」


「これ、小山さんの分。好きな時食べな」


「あ、どうも……」


そう言って、袋を受け取る。


わざわざ渡しに来なくてもいいのに。


「テスト勉強?」


希夜くんは、そのまま部屋を出ることはしなくて代わりにテーブルに広げられた教科書を見てそう聞いてきた。


< 43 / 275 >

この作品をシェア

pagetop