クール王子ととろける溺甘♡同居
「入っていい?」
「えっ、あ、うん」
彼の声にすぐに返事をすると、ガチャリとドアが開けられた。
黒のスウェットに着替えた希夜くんの髪は、お風呂上がりでまだ若干湿っていて。
いつもよりも数倍、色気を醸し出している。
「昨日の、小山さんに渡すの忘れてたから」
そう言って差し出されたのは、昨日の買い物で私が選んだ、わさび味のポテトチップス。
「えっ、」
「これ、小山さんの分。好きな時食べな」
「あ、どうも……」
そう言って、袋を受け取る。
わざわざ渡しに来なくてもいいのに。
「テスト勉強?」
希夜くんは、そのまま部屋を出ることはしなくて代わりにテーブルに広げられた教科書を見てそう聞いてきた。