クール王子ととろける溺甘♡同居


「あっ、うん。すっかり忘れてて」


そう答えたのと同時に、フワッとシャンプーの香りが鼻をかすめた。


「……っ、」


視界の端に映る希夜くんの綺麗な横顔。


嘘でしょ……。


なんで隣にいるの?!


すぐ部屋を出てくれると思った彼は、私の予想とは正反対の動きをしている。


「忘れてたって、テスト来週だよ?」


「う、うん、そう。だからかなり焦ってて……」


「俺ができるとこなら教えようか?」


「えっ……」


思ってもみなかった言葉に驚いて、思わず希夜くんの方に顔を向けると、バチッと目が合った。


「あ、いや、小山さんが大丈夫ならいいんだけど。これでも特進クラスだから、何か手伝えれば」


「……っ、」


なんで……。
こんな初対面で突然家に上がり込んできた私にここまで親切にしてくれるんだろうか。


何か裏がある?


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