クール王子ととろける溺甘♡同居


「そっか、よかった。じゃあ次は英語にしよっか」


希夜くんのその声で、勉強はどんどん進んでいく。ひとりでやろうとした時より、明らかに集中力が違う。


見られてるって意識で多少の緊張感があるからっていうのもあるんだろうけど。


それに希夜くんは、私が何度か同じ間違いをしてもイラついた顔をひとつもせずに何度も丁寧に教えてくれる。


そのおかげで、問題の内容をよく理解できて解く気を起こさせるから。


すごく……助かる。


希夜くんは、見た目のイメージに比べて、だいぶ親切で優しい。


それがすごく伝わってくる。


あんまり表情に出ないだけなんだ。


「……あの、希夜くん」


「ん?」


教科書をめくる彼に声をかける。


希夜くんだってきっと、自分の勉強だってあるはずなのにそんななか私の勉強を見てくれている。


そのことに、無性に気持ちが溢れて感謝せずにはいられなくて。


「あの、あ、ありがと」


そうお礼を言うと、


「どういたしまして」


と、優しく目を細めて口角を上げた。


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