クール王子ととろける溺甘♡同居
不覚にも、ドキッとしてしまったのと同時に、こんな私が、希夜くんの初めてでいいんだろうか、なんて、今までなら絶対に考えなかったことを思ってしまう。
それにしても、希夜くんのこと、何考えてるかわかんないって思う人もいるんだな。
そりゃ、すこぶる表情に出るってわけじゃないけど、彼の優しいところとかすごく伝わってくるのに。
「よし、じゃあ続き始めようか」
彼のその言葉で、私は再びペンを持った。
せっかくこんなに優しく丁寧に教えてもらってるんだから、いい成績取らなきゃだよね。
それから、週明けの月曜日ついにテストがやってきて。
問題用紙を見てびっくりした。
数学は希夜くんが出してくれた問題と似たようなものばかりで、全部スラスラと溶けて。
他の教科もすべてそう。
テストが楽しいって思えたのなんて生まれて初めてだった。
勉強したのはあんなに短い期間だったのに、こんなに変わるなんて、と感動しながら、好調な滑り出しで、テスト当日がスタートした。