クール王子ととろける溺甘♡同居
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「やっぱりね〜!2人の雰囲気が明らかに違うから何かあったと思ったの!まったく、希夜ったらそんなことで怒ったのね!」
一度キッチンに戻ってから、クッキーと紅茶を持って部屋にやってきた恵美さんと、ベッドに座ってから話をする。
家に帰ってきたときに、希夜くんの気分を害してしまうことを言ってしまったことを、正直に恵美さんに話すと、恵美さんは「大丈夫だから」と笑ってくれた。
「希夜って、昔から喜怒哀楽をあまり表に出さない子でね。私はさすがに親だから彼の変化に気づくけれど、今までの希夜の担任の先生たちはみんな困ってたわね。学校に馴染めていないって」
「そうなんですか。でも希夜くんのこと見ていると、わかってきますけど。彼がすごく優しい人だって」
「ふふ。ありがとう。そうやって花純ちゃんは希夜のこと色眼鏡で見てないから希夜も心を許しててあからさまにあんな態度とっちゃったんだと思うわ」
色眼鏡……。
きっと、私だってそんな風に希夜くんのことを見ていたのかもしれない。