クール王子ととろける溺甘♡同居

「お礼と、謝罪の、気持ち、です」

うまく彼の顔が見れなくて、目をそらす。
やっぱり、男の人が苦手なのは治っていないみたいだ。

「お礼と謝罪?」

「……テスト見てくれたのと、この間、希夜くんが嫌な思いすること言ってしまったから」

「そっか。男嫌いの小山さんがわざわざ俺のために?」

「……っ、」

どうしよう。
何も言えない。
そりゃそう思うよ。
あんな風に嫌いだって突き放したと思ったら、今度はクッキーなんて作り出してるし。

でも、自分でも自分の気持ちや行動が、よくわからないんだ。

なんでこんなに、必死に。

「自惚れていいのかな?」

「えっ……」

「小山さんにとって、俺が特別だって」

そうだ。
『特別』

「うん。特別。希夜くんは、ほかの男の子たちと違う。希夜くんのことは、……嫌いじゃない」

「そっか。すごい嬉しい」

そう言って、控えめに口角を上げる希夜くんに、ホッとしてる自分がいて。

「出来上がったら、一緒に食べよう。話ししながら」

希夜くんはそう言って、私の頭に優しく手を置いた。
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