クール王子ととろける溺甘♡同居



「うわ、すごい美味しい。小山さんお菓子作り得意なんだね。お店に売られてたら毎日買うレベルだ」

「ありがとう……大げさだよ。そんな大したものじゃないし。でも、よかったです」


希夜くんの部屋でふたりきり。
クッキーを一口食べた希夜くんがあんまり褒めるので恥ずかしくて下を向く。

「小山さん、ひよこ好きなの?」

お皿に乗った出来上がったばかりのクッキーをさらに1枚手にとってそうきいてきた希夜くん。

「え、好きなのは希夜く……っ、あ、うん、ひよこ好きなの!」

思わず、恵美さんから『秘密ね』と言われたことを漏らしそうになって慌てて訂正する。

「聞いたんだ、昔の話」

「うっ、勝手にごめんなさい」

「いいよ。どうせ母さんが自分からペラペラ話したんでしょ。ほんとバカだよね〜」

「ううん。可愛いなって思ったよ。希夜くんにもそういう一面があったんだなってほっこりしたというか。今は、学校で一目置かれているような存在だけど、なんていうか、いい意味でちゃんと普通なんだなって」
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