クール王子ととろける溺甘♡同居

「……そう言ってくれるの、小山さんだけだよ」

「えっ」

「小山さん、初めてうちに来た時、俺に言ったよね。男の人は嫌いだって」

「あ、うん……初対面なのに突然あんな失礼な……」

今考えれば、何も知らない相手のことを『男の人』ってだけで嫌いだと決めつけるのは、よくないよなと少し反省もする。

だからといって、男嫌いを克服できたってわけではないけれど。

希夜くんは、私にあんなことを言われた後でもずっと親切にしてくれてたし、彼のそういうところを知ると、あんな風に言ったことひどかったと思う。

「違うよ。逆。嬉しかったんだ」

「え、嬉しかった?」

まさかの希夜くんの発言に思わず聞き返す。

「今まで関わってきた人たちと違うって思った。小山さんは俺のことをほかの人たちと同じ『ただの男』って括りで見てくれたでしょ。今の俺にとってはそれがすごいありがたくて」

希夜くんがそんなことを考えていたなんて。

最初の頃の印象と全然違う。
はじめは、あまり周りの意見とか気にしない、クールな人なのかと思ってたから。

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