クール王子ととろける溺甘♡同居
あれから、4年。
完全に、トラウマだ。
男の子、モテるような男の子は特に、大の苦手だ。
イケメンなんてみんな、俺にかかればみんな落ちてくれるなんて思ってるんだきっと。
『ただしイケメンに限る』
なんて言葉があるけれど、絶対違う。
ちやほやされて生きてるから、あんなこと、平気で。
「……花純?」
「あっ……」
ママの声で、記憶の世界から引き戻される。
ママには、昔のこと、話せていない。
ひとり親でただでさえ、大変な思いをしながら頑張ってくれてるママに、これ以上、心配かけるようなことなんて言えなくて。
でも、今回のことはあまりにも突然すぎて、どこから突っ込んだらいいのやらで。
「明日、学校から帰ったら挨拶に行くからね。それからママはそのままおばあちゃんの家に向かうから」
「えっ……ちょ、あ、明日?!」
私に拒否権はないらしい。