クール王子ととろける溺甘♡同居
きっと、かっこよくて勉強もできて周りから見たら完璧で生まれ持った才能だと見られて、現に私も希夜くんのことをそう思っててあんなことをいってしまったけれど、
希夜くんは希夜くんなりに努力したり悩んでること、たくさんあるってことなんだろう。
「勉強だって、授業ついていけないかもって思うこともあるよ。だから、予習復習は毎日やってる。俺は天才じゃない。あんまり顔に出ないタイプだから、動じてないように見られて、それが変にプレッシャーだなって」
「そっか……そうだよね。希夜くんの努力とか気持ちとか知らないで、私も、あんなこと言ってしまって、本当にごめんなさいっ」
せっかく希夜くんが、こんな私のことを知りたいって思ってくれてたのに。
「ううん。いや、知らないのは当たり前だよ。俺の方こそごめんね。勝手なわがままでつい感情的になってしまって」
「わがまま?」
「小山さんには俺のことわかってて欲しいって」
「わ、私に?」
希夜くんは、紅茶を一口飲んで再び口を開く。
「うん、俺にとっても、小山さんが特別ってこと」
サラッとそんなことをいう希夜くんは、サクッとクッキーを頬張った。