クール王子ととろける溺甘♡同居
「俺は周りが思ってるより普通なんだけどね。何考えてるかわかんないって言われるけど、みんなが思うようなこと思うし」
「みんなが思うこと?」
「今日の夕飯なんだろうとか、朝礼だるいなとか。あとは……そういう欲、とか」
「欲……?えっ、」
突然、希夜くんの長い指がこちらに伸びてきたかと思うと、親指の腹が私の唇を優しくなぞった。
その感触が、今まで味わったことのないもので、再び顔が熱くなって蒸発しそうになる。
そ、そういう欲って……どういうこと?
「ふっ、真っ赤だよ。小山さん」
「だって……急に」
「ん、ごめん。つい」
『つい』なんてものでそんな風に触れるのは男子高校生って普通のことなのだろうか。
「……」
「……」
希夜くんの指が離れて少し沈黙の時間が流れる。
「……わ、わかるよ、私」
「え?」
先に沈黙を破ったのは私。
希夜くんは、何のことだとキョトンとした顔をこちらに向けている。