クール王子ととろける溺甘♡同居

私は意を決して、希夜くんに昔の話をした。

中学一年生の頃、生まれて初めて告白されて彼氏ができたこと。

嬉しかったけど、なにかと周りの顔色ばかり伺っていた私は、彼にも同じように顔色を伺いながら過ごしていたこと。

無理やりキスされて、友達と賭けていたと言われたこと。

それから……。

「……わかった。もういいよ、無理やり聞き出してごめん。話してくれてありがとう」

記憶を辿りながら、あの時のことを声に出して話すと、声が震えてる自分がいて。

希夜くんは、私の話しを優しく止めてくれた。

優しい希夜くんのことだから、私の気持ちを考えてそれ以上話さなくていいと気遣ってくれたんだろう。

過去の思い出が私の心を襲うような感覚に怖くなったけど、彼の思いやりがそんな心を包み込んで温めてくれる。
< 74 / 275 >

この作品をシェア

pagetop