クール王子ととろける溺甘♡同居
「例えば、」
……っ!
希夜くんはそう言って突然、私の手に触れてギュッと握り出した。
「き、希夜く……」
「こうやって触れてみるとか」
いきなりのことで、緊張と恥ずかしさで心臓がバクバクとうるさい。
触れられて初めて、希夜くんが男の人なんだということを実感する。
細いけどちゃんと骨ばった指に大きい手のひら。
それがすっぽり私の手を包み込んでいる。
「怖い?」
「え、う、ううん」
びっくりはしたけれど、希夜くんの手だと思うと怖くない。
「本当に?無理しちゃダメだよ」
そうやって優しい言葉をかけてくるから、また胸がキュンとなって。
「大丈夫」
「そっか。よかった。小山さん、手小さいね」
「え、そうかな。希夜くんの手が大きいんだよ」
「うん。男だからね」
そんなセリフに、不覚にもドキッとしてしまった。
自分でもこんな感情にびっくりしてしまう。
怖いっていうドキドキじゃないことに気付いてしまったから。