クール王子ととろける溺甘♡同居

「あっ、ごめんなさい、勝手にずっと触ってて」

謝ろうと、とっさに顔を上げるとバチっと希夜くんと視線が合ってしまい恥ずかしくなってすぐに視線を戻す。

「いいよ。小山さんが落ち着くならずっと持ってて、その方が西条くんも喜ぶ」

「……うん。ありがとう。ふっ、それにしてもやっぱり面白いね。こんなに可愛い顔して西条くんなんて」

触り心地のいい希夜くんのスウェット生地と、毛並みふわふわの西条くん。

お風呂を終えてまだあまり時間がたっていない彼から香る、優しい柔軟剤の香り。

緊張が少し溶けていくと、その全部が心地よく思えて。

ママ以外の誰かに、こうやって抱きしめてもらうなんて。

高校生にもなれば、こんな風にママと抱き合ったりしないし。

男の子に抱きしめられて、こんなに心地がいいって思うことがあるなんて。

自然と瞼が重くなって、だんだんと睡魔が襲ってくる。

希夜くんとちゃんと仲直りできてホッとしたのもあるんだろうか。

なんだかすごく……。

眠い……。
< 87 / 275 >

この作品をシェア

pagetop