クール王子ととろける溺甘♡同居



「んっ……」

髪の毛になにかがそっと触れた気がして、うっすら目を開ける。

「おはよう、小山さん」

っ?!

「えっ……なっ」

目の前の光景にびっくりして、被っていた布団を目の下まで覆ってから再び目線をそちらに向ける。

ベッドの下に座って私が起きるのを待っていたかのよう。

肘をつきながらその手に顎を預けてこちらを見つめる希夜くんの姿。

朝からなんて心臓に悪いんだろうか。

しかも……私あの後そのまま寝ちゃったんだ。

なんてことだ。

「安心して、何もしてないから。それにしても本当気持ちよさそうに寝るね、小山さんって」

「っ!!」

な、なんてことだ。
いや、こんなことで眠ってしまった以上、見られるのは仕方のないことなんだけど。
まさか、希夜くんに寝顔を見られてしまうなんて。

「ご、ごめんなさい、お見苦しいものを、しかも、ベッド、占領しちゃって、あの、本当に……」

慌てて身体を起こしてベッドの上で正座して頭を下げる。

ほんと、非常識にもほどがあるよ私。
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