横顔が綺麗なあの子の素顔
「お疲れ様でした!」
映画の演技練習が終わって、少し事務所に寄り、駅への道を歩く
いつもの公園が見えた時、私が夜空を見上げるベンチに誰かが座っていた
「…杉野さん、?」
そっと近づき、声をかける
「…あ、月村さん!やっぱり会えた」
「え、?」
「ここで空を見てたら会える気がしたんだ
仕事の帰り?」
隣に座るよう促され、少し離れて座った
「…はい、演技練習で、」
「そっかぁ、今日ここにいて本当よかったわ〜!」
私の方を見て笑顔になる杉野さん
その笑顔見てると…本当に勘違いしちゃいそうなんだけど、
「あの、杉野さん…その、このあいだのことなんですけど……」
「うん」
「…勝手に帰ってしまってごめんなさい」
ずっとそれだけが気にかかっていた
(告白の返事より)
「そんなの全然いいよ?あれは普通に考えて俺が悪いから笑
返事はNoって事かな?」
「…はい。ごめんなさい」
「ふふっ、そうだよね。笑
ありがとう!すぐには無理だけど、諦めるから」
そう言った時の杉野さんの顔がとても悲しそうで、寂しそうだった