横顔が綺麗なあの子の素顔
「はい」
「…ありがとうございます」
落ち着いた月村さんの隣に座る
「怪我してない?急ブレーキしたってネットニュースで言ってたから…」
「全然大丈夫です…!」
ちらっと覗くと彼女の手のひらには擦り傷がある
「嘘ついたね笑
事務所行こっか。」
手を引いて事務所の中に入り、消毒をする
「…何か、懐かしいな。この感じ」
「え?」
俺にとって、月村さんの傷を手当するのは初めてじゃない
「初めて君にあった日、俺らのファンに怪我させられたの覚えてる?
こう言っちゃ悪いけど、君に会えたから
とってもいい日だった」
その日からこんなにも好きになるなんて思ってなかった
こんなにも人を好きになるなんて思っていなかった