焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「そのバーテンダーさんは、どんな人?」

どんな人、か。

成宮さんとの思い出の欠片をひとつひとつ取り出してみる。

「バーテンダーとして、完璧な人。接客も作ってくれるカクテルも、最高」

自分のためにふるまってくれたジン・トニックはお気に入りだ。

「優しいし、気遣い方もスマートで、私も見習わなきゃなって思う」

お店でも遊びに行った時でも、さりげない気遣いが嬉しくて。

「一緒にいて楽しいし、すごくいい人」

オフモードの成宮さんはポーカーフェイスで意地悪なところもあるけど、それすら魅力的に思えてしまう。

「和花菜、だいぶハマっちゃってるのね。その人に」

「成宮さんを嫌いになる人なんていないんじゃないかなって思うよ」

「あ、成宮さんっていうんだ。下の名前は?」

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