焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「さんびー?」

どこかで聞いたことがある気がするけど、よく分からなくて先を促す。

「彼氏にしてはいけない、本気で惚れちゃいけないって呼ばれるバンドマン・バーテンダー・美容師の総称よ」

なるほど。3つの職業の頭文字をとって3B。

「和花菜、気をつけなきゃダメよ」

琴美が本気で心配してくれるのが伝わってくる。

いろいろな経験をしてきたが故の予感みたいなものなんだろうか。

「大丈夫だよ。付き合ってるわけじゃないし」

自分で言ってて少し悲しくなる。

付き合ってるわけじゃない。

そう、彼女じゃないんだ。

「バーテンダーとの恋って、憧れるけど。それよりも、私は瀬戸さんが良いと思う」

琴美の視線の先には、別のテーブルで食事をとっている瀬戸さんが。

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