焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「私今付き合ってる彼氏いるから」

「待って聞いてない!春くらいに付き合い始めた彼氏は?また別れたの?」

「だって向こうが結婚したら仕事やめろって言うから。話し合ったけど結局お互い無理だわって決着がつきました」

お相手は外資系のコンサルティングファームだったはず。

当時はこのまま彼と結婚したい、ってのろけてたのに。

「で、別の人と付き合い始めたと?」

「どんなことでも切り替え早いのが売りなんで」

はたして今度こそ長続きするのか否か。

琴美が決めたことなら私が横槍を入れる必要はないけど、恋愛遍歴がすごいことになりそうだ。

「ふたりとも、何はしゃいでるんだ?」

「あ、瀬戸さん!」

「お疲れ様です」

話し声が聞こえてしまっていたのか、昼食を食べ終わった瀬戸さんが目の前に。

「和花菜の悩み事を聞いててあげたんです。人生相談室開いてました」

「こ、琴美っ」

「清水の悩み?俺でよければいつでも相談のるから。もちろん浅野もな」

瀬戸さんは私と琴美の肩にぽん、と手をのせてからフリースペースを出ていった。

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