焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「うわー、瀬戸さんずるいわぁ。ちゃんと和花菜だけじゃなくて私にも声かけてくれるあたりさすが」
「この場でその悩みって何?とか深く聞いてこない気遣いも瀬戸さんって感じ」
「しかも頭なでるんじゃなくて肩ぽん程度なとこも分かってるわよね。瀬戸さんになら何されたって私はいいけど」
感嘆の声をこぼして残りのコーヒーをあおる。
「時間だし、私達もそろそろ戻ろっか」
「そうね。とにかく和花菜、バーテンダーの彼には気をつけなさいよ?」
「大丈夫だよ。ありがとう」
琴美は総務に用があるからと廊下で別れて、私は自分のデスクに戻る。
クライアントに提出するための資料をまとめる作業に引き続きとりかかった。
まだ新人としてアカウントプランナーのアシスタントという立ち位置だから、基本先輩の案件のサポートをする。
「うーん……いやこうか」