焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
指摘された部分はちゃんと理解してるけど、別のことも同時に考えてたせいで変な間が空いた。
「清水、難しい顔してたぞ。こんな感じ」
瀬戸さんはそう言って口をへの字に曲げて変顔してきた。
イケメンが台無しだ。
「ふふっ、私そんな顔してませんよ」
「してたしてた。お前笑ってた方が可愛いんだから、何かあったんなら俺に言いなさい」
はい、と修正された資料を差し出される。
部下に対しての可愛い、は他の先輩や後輩にも言ってるのを聞いたことがある。
あるけど、瀬戸さんはお世辞で可愛いとかいう人じゃないから。
自分も一応可愛い部下って思われてるかもしれない、って己惚れてみる。単純。
「じゃあまた今度、相談させてもらいます」
「いつでもいいからな。あ、これご褒美」
瀬戸さんは引き出しから何かを出して、私の手に持たせた。
「あめ?」