焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
マスターとの会話を楽しみながらカクテルを飲み、今日も一日頑張ったなーと自分を労う。
誰かに褒めてもらいたくて仕事をしてるんじゃない。
でも、自分のことを自分くらいはたまに褒めてあげないと毎日やってられないよね。
ゆっくり、でも確実にアルコールが身体をまわっていく感覚。
ほろ酔いくらいになったところで、バックヤードから彼があらわれた。
「あ、成宮さ……」
「成宮さんだー。待ってたんですよ」
「そうそう!前に来た時会えなかったから、成宮さんにカクテル作ってもらいたくて」
私の声にかぶせて他のお客さんが話しかけた。
「お客様、僕のカクテルじゃ満足させられませんでしたか?」
「あはは、如月さんも好きだけど成宮さんとも話したいの」