焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
そういう姿に純粋に格好いいなって思う気持ちに、目を逸らしたい感情が混ざり合うようになってしまった。
まるで相手のことを一番に想ってくれているような台詞。
散りばめられた女なら言われて嬉しくないわけがない言葉。
自分だけに向けてくれていると思っていた言葉は、この場では平等に皆に分け与えられていて。
琴美の言葉が、やけに真実味を帯びてくる。
「和花菜さん、どうしました?」
「えっ」
「浮かない顔をしてたので、心配で」
話しかけていない自分のもとへ来てくれるとは思わなくて、言葉につまる。
「いや、なんでもないですよ。注文いいですか?」
「……はい。おうかがいたします」
「じゃあ、カルーアミルクで」
「かしこまりました」