焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

成宮さんは、自分以外の女の人とも遊んだりしてるのかな。

お店ではみせない顔を知ってる人が、他にもいるんだろうか。

成宮さんの素の笑った顔を知ってるお客さんがいたら。

いや、いてもおかしくはないし。

やめてっていう権限もない。

ここで軽く聞いちゃえば済むことなんだろう。

冗談みたいに、なんてことないように。

でも、それができない。

「お待たせいたしました。カルーア・ミルクでございます。和花菜さんの好みに合わせて少し変えてみたんですよ」

彼氏にしてはいけない、本気で好きになってはいけない人、か。

「おいしいです。やっぱり成宮さんのカクテルはどれも最高ですね」

本音も飲み込んで、笑顔でごまかした。

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