焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「報告書もう出来たんだ?助かる。今日はもう帰っていいぞ」
トン、と報告書をまとめてファイルにしまい込む瀬戸さん。
「え、いいんですか?」
「定時にあがれる時はあがっておくこと。今日は帰ってよし」
瀬戸さんだって統括マネージャーとして最近特に遅くまで残っていたのに、いいんだろうか。
何か手伝えないかな。
そう考えていたことが顔に出ていたのか『清水。先輩命令』と有無を言わせない笑顔で言われてしまい、お言葉に甘えて帰ることにした。
「あ、これ安い。買っちゃおう」
お気に入りのスーパーに寄って、夕飯の材料を揃えていく。
その最中に何となく、あの人の姿を探してしまう自分がいる。