焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
女の人の綺麗な髪を成宮さんは手で梳いて、耳にかけてあげた。
「な、んで。今のなに」
彼女が成宮さんに寄りかかっても、当然のように受け入れていて。
羨ましい、お互い許容し合ってるその距離が。
「……成宮さん」
ガツン、と重い衝撃をくらったみたいな気持ちになった。
やっぱり、自分以外にも偽りのない笑顔をみせる相手がいるんだって。
親しいお客さんなのか、友達か、それとも。
これ以上2人の姿を見ていられなくて、足早にこの場をあとにした。