焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
彼女は動揺することもなく、美しい笑みを携えてエレベーターへ向かっていった。
また来るね、ってことは。次も成宮さんの部屋に入れてもらえるってことで。
部屋にまで気軽に来れる関係って。
予想したくもないけど、ある考えが浮かんでくる。
でも成宮さん、彼女作らないんじゃ。
私の考えすぎだって思いたい。
今時男女だって友達同士ならお互いの部屋で飲むくらいはする人もいるって聞くし。
「違いますよね」
呟いたところで、誰も答えてはくれない。
コンビニへ行く気力を削がれて、仕方なく着替えて仕事へ向かうことにしたのだった。
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――……
「ねぇ、琴美はさ」
「んー?」
次の日の昼休み、お互い予定があったため一緒にご飯を食べることに。
この機会を逃すまいとずっと気になってる例の件を聞いてみることにする。