焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
いつもより賑わった店内にドレスアップしたたくさんの客。
ずっと前からマスターが企画していたイベントは大盛況だ。
今までバーに来たことがない人でも楽しめるという趣旨の通り、新規の人達が多く見受けられる。
本当は成宮さんとあの女の人のことがあって来るのを躊躇した。
でも、マスターのお誘いを断るのは気が引けるし、結局自分の足はバーに向かっていて。
「綺麗ですね、和花菜さん」
「えっ……、成宮さん」
端の方のテーブルでひとりグラスを傾けていたら、後ろから声をかけられた。