焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
カラン、控えめなドアベルの音とともにお店に足を踏み入れた。
ゆったり流れる時間に心が自然と凪いでいく。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは、成宮さん」
カウンターで迎えてくれたのは成宮さんだった。
今日も相変わらず格好いい。
「最近和花菜さんがお店にいらっしゃらないので心配してましたけど、今日は会えましたね」
覚えててくれたんだ。
お店には毎日お客さんが来ていて、色んな人の相手をしてるから私なんて忘れてると思ってたのに。
ちょっとのことで嬉しくなる。
「仕事で大きめの案件に関わらせてもらえたんですけど、予想以上に忙しくて。やっと落ち着きました」
「そうでしたか。お仕事お疲れ様です」
「でも任せてもらえるのはありがたいので、最後まで頑張ります」