焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「何?気になるだろそれ」

「聞こうとしたこと忘れちゃいました。いつもより酔っちゃって。そろそろ寝ますね。お疲れさまでした」

「ちゃんとあったかくして寝ろよ」

最近夜冷えるし、と付け足す成宮さんの声を本当ならずっと聞いていたいって思う。

成宮さんこそ、体調を崩さないように気をつけてください。

「わかりました。おやすみなさい」

電話、切らないでほしい。

「ん。おやすみ」

「……はい、失礼します」

もう一度画面をタップして、通話終了。

いくら画面を眺めたところで向こうからかかってくることはないけれど。

部屋が隣同士なんだから電話が切れたとしても、直接話すことは不可能じゃない。

ないのに。

「バカだなぁ」

成宮さん、と登録してあった名前を「成宮樹季』に変えておいた。

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