焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「なあ、清水。よかったら今日飲みにいかないか?」
お昼休み、オフィスに戻ってきたところで瀬戸さんに声をかけられた。
「新規案件も軌道にのったし、お疲れ様ってことで。もちろん奢り」
少し口角をあげて、いい条件だと思うけど?とでもいうような表情。
奢りじゃなくなって瀬戸さんと飲みに行きたい人は社内でいくらでもいる。
「私も今日は定時であがれそうなので。ぜひ」
「よし。決まり」
断る理由が思い浮かばないし、せっかく上司が誘ってくれてるのに断るのは気が引けた。
いつも通り仕事を終えて退勤処理をしてからロビーで瀬戸さんを待つ。
「清水、お待たせ」
「お疲れ様です。私もちょうど来たところで」
瀬戸さんは私の何倍も忙しい人だ。
申し訳なさそうに言わなくていいのに。