焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「でも、和花菜さんはちゃんと自分の欠点に気づいて直していこうって思ってるんだから偉いよ」
成宮さんはグラスを下げて、何やら準備を始めた。
「また案件任せてもらいたいですし」
「前向きな姿勢はいいことだけど。せめてここにいる時くらいは、弱音吐いて泣いても、いいんですよ」
心地の良い声でそんな台詞を言う成宮さんに、惚れない人なんているわけない。
それに普段そういうことを言ってもらう機会がない分心にじんわりと染み込んでいく。
「はい、どうぞ。フローズン・マルガリータです」
「フローズン・マルガリータ?」
「テキーラベースにホワイトキュラソー、ライムジュース、クラッシュドアイスを混ぜたカクテル」
白のシャーベット状のカクテルの上にミントの葉がのっていて、可愛らしい。
女の子なら皆好きな見た目だ。
次はどんな味がするカクテルなんだろう?
期待しながらいただきます、と言って少し飲んでみる。
「……ライムがアクセントになってますね、飲みやすい」