焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「さっきのバーテンダーと、仲いいのか?常連だから顔見知りなのは分かるけど」

「よく行ってるので、話しはしますよ。どうしてですか?」

部屋が隣同士で一方的に恋心を抱いています、という事実をこれでもかという程ぼかす。

「いや、なんとなく。雰囲気が」

瀬戸さんにしては珍しく、歯切れが悪い言い方をする。

成宮さんのことが気になるのかな?

「成宮さんは誰にでも気さくにお話される方なので、そう見えただけですよ」

本当のことだ。

それを言うなら亜里沙さんと成宮さんだって付き合ってるように見えても不思議じゃない。

ここは無難にごまかしておくのがいいだろう。

「ふたりの様子見てると、少し妬いた」

酔っている勢いで言ってるんじゃない、それは分かった。

「ふたりっていうのはその……成宮さんと亜里沙さんですかね?」

「違うよ。成宮ってバーテンダーと和花菜」

私と成宮さんのどこを見て嫉妬したのか自分じゃ分からない。

だって成宮さんは亜里沙さんとの方が話してたし、親しい雰囲気だった。

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