焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「すみませーん、注文いいですか?」
「はい、今行きます」
「成宮さん、嬉しかったです!カクテルありがとうございました」
成宮さんが行ってしまう前にと急いでお礼を言うと、それはそれは流麗に微笑んで。
「ゆっくりしていってくださいね」
そして私に背を向けて次のお客さんのもとへと向かっていった。
ドクドクドク、心臓の鼓動がおさまらない。
成宮さんともっと話してみたいし、彼のことを知りたい。
初めて出逢った時に抱いた感情が、明確な意思を持って浮かび上がる。
これ。
もしかしてくても。確実に。
「ああ、どうしよう」
一目惚れってやつですか。