焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「正直に言うと聞いてしまいました。そのうえで、質問してもいいですか」
「……ああ」
「成宮さん、愛したいって思う相手が、いるんですか」
「わ、直球」
成宮さんは肩を竦めてみせる。それでもあまり動揺はない。
「うん、いる」
「それは亜里沙さんじゃないんですよね」
「亜里沙はもちろん大切な存在だけど。恋人じゃ、ない」
ひとつひとつ、確認していく。
そうやって一歩ずつでも進んでいきたい。
「私は成宮さんに、手を伸ばしてもいいですか。成宮さんも、手を伸ばしてくれますか」
私の勘違いじゃないのなら。
「和花菜、俺は多分じょうずな愛し方を分かってないのかもしれない」
「それを言うなら私もです」
「分かってても、俺は――」
「ふたりとも、何話してるんだ?」