焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

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「清水、ちょっといいか?」

「瀬戸さん。はい、大丈夫ですよ」

お昼休みにしようと席を立ったとき、瀬戸さんに声をかけられた。

「今日の夜、空いてる?」

「今日ですか?」

「付き合ってほしいところがあるんだ」

「その場所って……」

「あのバー。最近新メニューで生ハムとチーズの大盛プレートってやつが始まったんだけど」

「美味しそうですね」

「俺ひとりじゃ食べきれる量じゃないんだ。付き合ってほしい」

これはどうするべきか。

でもタオルも返さなきゃいけないし、こういうのはお礼と一緒に直接手渡しが基本だよね。

一応と思ってタオルは紙袋に入れて持ってきてある。

「マスターも、最近お前の顔見てないから来て欲しいって言ってたぞ」

それを言われたら……。色々なことを天秤にかけて、導き出した答えは。

「分かりました。行きます」

「お、よし。楽しみにしてる」

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