焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「まじか。まあ察しろって方が都合よすぎだよな」

何を察するべきなのか。

「……はっきり言うと。俺の気持ちはこのカクテルに込めてる」

スッと私の前へ差し出されたカクテルは、燃えるようなオレンジ色。

「テキーラ・サンライズ。意味は、熱烈な恋」

「……恋、ですか」

恋。自分も、抱いている感情。

「って、いきなり言われてもって感じだろうけどさ」

ずっと和花菜のことは見ていたんだと真剣な表情で告げられた。

「お前が入社してうちの部に配属になったときは、真面目すぎて逆に危なっかしいなって思って気にかけてたけど」

「あの頃は本当に、自分でも思い出すだけで恥ずかしいです」

瀬戸さんには大分助けてもらった。

「はは、そこが可愛いんだけどさ。でもどんどん成長してく姿をみて、俺のアシスタントに入ってくれてから」

ほんの少し、自分の手に瀬戸さんの指先が触れる。

「一緒に過ごす時間が増えて、やっぱり好きなんだって自覚した」

「……瀬戸さん」

それ以上は。

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